APCF2017:ブース出展・サイドイベント開催

Asia Pacific Carbon Forum 2017

ブース出展について

2017年12月13日~15日、タイ・バンコクにおいて、アジア太平洋カーボン・フォーラム2017(APCF 2017)(主催:アジア開発銀行、国際排出量取引協会、国連気候変動枠組条約事務局、公益財団法人地球環境戦略研究機関)が、アジア太平洋クライメート・ウィーク(APCW 2017)の一環として開催されました。

 

(一社)海外環境協力センター(OECC)はAPCF 2017会場内に展示ブースを出展し、JCMに係る各種資料を展示・配布するとともに来場者に対する情報提供を行いました。OECCの展示ブースには3日間で約40名が来場しました。

 

APCF 2017ではJCMを新たなビジネスチャンスと捉えて情報収集をする民間企業の来訪が目立ちました。そのため、最新の動向やJCMプロジェクトに参加するための要件といった、JCMを活用したプロジェクト発掘を視野に入れた具体的な質問が数多く寄せられました。

 

 

参考

APCF2017ウェブサイト(英文)

 

来場者との意見交換概要

JCMパートナー国に拠点をおく国際機関や研究機関、政府関係者ほか、パリ協定第6条2項に規定される協力的アプローチの代表的事例としてJCMに注目する韓国、シンガポール、米国、インドの政府系機関やオフセットプロバイダー、さまざまな国でプロジェクト形成中のプロジェクト開発者など約20名と面談を実施しました。来場者との意見交換の概要は以下のとおりです。

 

  • ・JCMの概要及び最新動向
  • ・JCMの運営手法(他の類似制度設計の参考とするため)
  • ・JCMクレジットの用途や帰属、取引手法
  • ・日本国内におけるJCMクレジットの取引価格
  • ・プロジェクト開発者が現在形成中のプロジェクトの、JCMへの適用可能性
  • ・現在100件以上実施されているJCMプロジェクトの進捗(妥当性確認・検証の実施予定)
  • ・プロジェクト実施事業者がJCMへ参画するメリット
  • ・クリーン開発メカニズム(CDM)への参加要件との相違
  • ・排出量取引制度について

 

当ウェブサイト等を通じてJCMプロジェクトの進捗をウオッチしている民間企業は、これまで8件のプロジェクトから発行された約1万トンのJCMクレジット*の用途に高い関心を寄せました。OECCからは、日本とパートナー国によるJCMクレジット配布分比率やJCMに参画するプロジェクト実施事業者による主なクレジット活用手法など、現場の声を共有しました。

 

*2017年12月時点。最新のクレジット発行状況はJCMウェブページ(英文)をご覧ください。

 

JCMクレジットが発行されたプロジェクトを紹介するポスター

 

JCMに関して基礎的な理解のある来場者による専門的な質問が多いことから、国際的な炭素市場においてJCMが知名度のある制度として一定程度浸透しており、JCMが炭素市場にもたらすインパクトが注視されている段階であることが窺えました。

 

開催サイドイベント「二国間クレジット制度(JCM)を通じた技術移転」について

(一社)海外環境協力センター(OECC)はAPCFサイドイベントとして、「二国間クレジット制度(JCM)を通じた技術移転(Innovation, Deployment, and Transfer of Low-Carbon Technology Through the Joint Crediting Mechanisms (JCM))」を開催しました。

 

本サイドイベントでは、OECCによるベトナム案件の東南アジアへの自立的水平展開の事例を紹介したのち、JCMパートナー国であるタイのJCM窓口であるタイ温室効果ガス管理機構(TGO)の担当者、またJCMインドネシア事務局での勤務経験があり、現在はIGESにてJCMプロジェクト形成支援を行う担当者をパネリストに迎え、JCM実施に係る進捗や期待について議論しました。

 

 

当日は各国の政府関係者や専門家の他、JCMの活用を検討する事業者約20名が参加し、活発な質疑応答を通じて双方向型で討議しました。質疑応答ではJCMを活用したプロジェクトの形成も視野に入れていることをうかがわせるような事業者目線での質問が多く寄せられました。

 

来場者との意見交換概要

  • ・JCMの案件発掘までの過程
  • ・JCMプロジェクト登録までのプロセスや期間、コスト
  • ・JCMプロジェクトを通じて優れた低炭素技術をベトナムの現地調達基準へスペックインすることに成功した理由
  • ・JCMで採用される省エネルギー技術の詳細
  • ・クリーン開発メカニズム(CDM)やゴールドスタンダードとの比較

 

開催日時

2017年12月14日(木)10:30 – 11:30

 

会場

国連会議場 Meeting Room 4(タイ・バンコク)

 

主催

(一社)海外環境協力センター(OECC)

 

サイドイベント議事メモ

サイドイベント開催報告

 

プログラム

サイドイベントフライヤー

 

  • イントロダクション
  • ファシリテーター:(一社)海外環境協力センター(OECC) 主席研究員 加藤 真 氏
  • プレゼンテーション・セッション
  • 「タイにおけるJCM実施」(英語)
  • タイ温室効果ガス管理機構(TGO) 検証モニタリングオフィス マネージャー Paweena Panichayapichet 氏
  • ディスカッション・セッション(質疑応答)
  • JCMの進展と将来への展望
  • ファシリテーター:OECC 主席研究員 加藤 真 氏
  • 討議者:
  • タイ温室効果ガス管理機構(TGO) 検証モニタリングオフィス マネージャー Paweena Panichayapichet 氏
  • 公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES) アナリスト Aryanie Amellina 氏
  • OECC 研究員 小柳 百合子 氏