APCF2018:ブース出展・サイドイベント開催

Asia Pacific Carbon Forum 2018

ブース出展

2018年7月10日~13日、シンガポール共和国・セントーサ島において、アジア太平洋カーボン・フォーラム2018(APCF2018)(主催:国際排出量取引協会、国連気候変動枠組条約事務局、アジア開発銀行、世界銀行、公益財団法人地球環境戦略研究機関)が、アジア太平洋クライメート・ウィーク2018(APCW2018)の一環として開催されました。

 

(一社)海外環境協力センター(OECC)はAPCF2018会場内に展示ブースを出展し、JCMに係る各種資料を展示・配布するとともに来場者に対する情報提供を行いました。APCF2018では全20ブースの出展がありましたが、OECCの展示ブースには3日間で約100名が来場しました。

 

APCF2018では、アジア太平洋地域で実際にプロジェクトを形成するプレイヤー及び炭素市場における議論へ影響力を持つインフルエンサーの来訪が目立ち、OECCブースにおいてJCMへの理解を深めるとともに、コーヒーブレイク等のネットワーキングにおいてもJCMの活用方法に係る議論を展開していました。

 

OECCブース来場者へ対応する様子

 

JCMの進捗を紹介するポスター

 

参考

APCF2018ウェブサイト(英文)

 

来場者との意見交換概要

OECCは約40名と面談を実施し、意見交換するとともにコンサルテーションを提供しました。面談後も提供資料を熟読し、ブースを再訪して熱心にJCMについて質問する来場者の様子から、アジア太平洋地域においてプロジェクトの形成を検討するうえで、JCMが重要なメニューのひとつとして認識されていることがうかがえました。

 

来場者

  • JCMパートナー国に拠点をおく国際機関、トレーニング機関、政府関係者、NGO
  • パリ協定第6条2項に規定される協力的アプローチの代表的事例としてJCMに注目するシンガポール、韓国、インド、スリランカ、米国、中東諸国の研究機関、政府系機関、指定運営組織(DOE)、オフセットプロバイダー
  • さまざまな国でプロジェクトを形成中のプロジェクト開発者、コンサルタント、機器サプライヤー、森林・バイオマス関連企業

 

トピックス

  • JCMの概要及び最新動向
  • JCMの運営手法(他の類似制度設計の参考とするため)
  • JCMクレジットの用途や帰属、取引手法、日本国内における活用例
  • 現在100件以上実施されているJCMプロジェクトの進捗
  • JCMプロジェクトの開発プロセス及び資金フロー
  • プロジェクト実施事業者がJCMへ参画するメリット
  • プロジェクト開発者が現在形成中のプロジェクトの、JCMへの適用可能性
  • プロジェクトのスケールアップ手法
  • JCMを活用した能力構築
  • 国が決定する貢献(NDC)で掲げる削減目標の達成に向けたJCMクレジットの活用及びダブルカウントの回避手法
  • パリ協定第6条で規定される持続可能な開発への、JCMによる貢献
  • クリーン開発メカニズム(CDM)への参加要件との相違
  • 排出量取引制度やブロックチェーンについて

 

サイドイベント
「プロジェクト形成のヒント:JCMの実施経験より」

APCF2018期間中は約30本のイベント(ハイレベルセグメント4本、プレナリー会合2本、ワークショップ17本、サイドイベント10本)が開催されました。

 

会期初日のハイレベルセグメントDAYにおいて、OECCはAPCFサイドイベントとして「プロジェクト形成のヒント:二国間クレジット制度(JCM)の実施経験より(Development of Projects: Tips Gained through the JCM Experience)」を開催しました。

 

冒頭はフレーミング・プレゼンテーションとして、OECCよりJCM案件形成の過程例を共有し自律発展型の案件を紹介した後、タイ温室効果ガス管理機構事務局長、フィリピン環境管理局気候変動室長、IGES気候変動とエネルギー領域ディレクターをパネリストに迎え、効率的かつ効果的なNDCの達成に向けたJCMの有効な活用方策について議論しました。

 

 

 

当日は各国の政府関係者や専門家の他、JCMの活用を検討する事業者が参加し、活発な質疑応答を通じて双方向型で討議しました。質疑応答では、DOEからアカウンティングに係る専門的な質問が寄せられた他、市場メカニズムの分野で著名な研究者よりプロジェクトの規模拡大に係るビジョンが問われました。これらへの回答を通じて、JCMのUNFCCCへの貢献や、パリ協定第6条2項で規定された協力的アプローチのフロントランナーとしての意欲を会場へ共有しました。来場者の多くはサイドイベント実施後もOECCブースに複数回来訪し、発表内容に係る議論を深めました。

 

開催日時

2018年7月11日(水)13:00 – 14:00

 

会場

Meeting Room Virgo 1, Resorts World Convention Centre(シンガポール共和国・セントーサ島)

 

主催

(一社)海外環境協力センター(OECC)

 

サイドイベント議事メモ

サイドイベント開催報告

 

プログラム

サイドイベントフライヤー(英文)

 

13:05-13:25 フレーミング・プレゼンテーション(質疑応答を含む)
13:25-14:00 パネルディスカッション(質疑応答を含む):効率的かつ効果的なNDCの達成に向けて